「陰」と「陽」のあいだには、高くて厚い壁がある


ひとつの失恋。

もう一生女なんか信じない。

ブクマでの反応


この件についてのいろんなコメントなどを読むと「自分が愛されていると思いたいんだろ」「小悪魔」「本命に向かっていくための踏み台」とかいう意見が多い。ワタシはそれを「正しい」とは思うが、それ以上に「それだけではない」とも思う。


この告白された女性はおそらく「自分が他人から拒絶されるんじゃないか」という類の悩みを少しも抱いていない。
少しもというのは言いすぎにしても、かなり少ない。


自分が誰かに愛されていると確信したい、蝶よ花よ感を味わいたいのは多くの女性が望んでいること。しかし、望むことと実際に言動に移すことの間にはとてつもなく大きな隔たりがある。
平気で相手の懐に飛んで行って相手を惑わせ、相手がその気になったらサッと逃げる。そんな言動を迷いもなくできるのは、「非コミュ」でない「陽」の部分を大きく持った女性だけ。彼女はその「陽」だろう。彼女には特別悪気はないと思う。悪気がないというのが最大のガンであり、すべての原点でもある。


もしこれが非コミュ女性=「陰」の女性なら、仮にそれこそ「99%の勝算」があったとしても相手の懐になんて飛んでいけない。例えその相手が大して好きでもない男性だったにせよ、その男性からさえも拒絶されるのが怖い、万一拒絶されたら自分の女性としての価値を否定されてしまうとかいう思考が先に立って到底そんなことは出来ない。
そんなことをするときは、爆死覚悟の「一世一代の大勝負」時だけだ。当然、相手は好きでたまらない男性のみ。


一方、この文章を書いた男性。
ものすごく言っちゃ悪いところをハッキリ言ってしまえば、はてな、しかも匿名ダイアリーという場でシクシク嘆いているってことは「陰」と「陽」であれば「陰」の人間、言い換えれば「少なくとも非コミュ寄りの人間」であることは確か。


例えばこれがこの女性と同じ「自分は拒絶されないぜ感」で常に生きている「陽」DQNだったりすれば、告白して玉砕したところで「えマジ?」で済まされるはず。
「俺絶対イケると思ったけどなー。まー仕方ねーな他の女捜すべ」で次に行くか、「俺はお前が好きなんだよおおおおお!やらせろ!」と力ずくで押し倒すか。それがいいとか悪いとかはさておいて、それが現実だと思う。
失敗しても、内省的にはならない。
例え一瞬傷ついても、その傷は心の奥底までには深く入り込んで行かない。それが「陽」たる所以。


彼女は、そういう「陽」の男性とこそくっつくだろうし、またくっつくべきだろう。
そして仮に「陽」の男性が彼女の小悪魔アタックを真に受けて玉砕しても、後には何も残らない。


絶望することはない。
男女の仲って、結局は「相性」でしかないというだけ。
「陰」と「陽」が結び付くのは非常に困難なことだし、仮に達成してもその先に心の充足はない。
そして「陰」が悪いわけでも、「陽」が悪いわけでもない。
それを「相性」というんじゃないかな。


例え彼が彼女と付き合えていたとしても、彼の悩みは日々絶えないだろう。
好きな男だけならまだしも、たいして好きでもない男の懐にでも平気で飛び込んでいく彼女との付き合い。
彼は常に他の男の影に怯えて、彼女の言動に神経を尖らせる。けれど彼女に嫌われたくはないからギリギリのところまで問い詰めたりもできず、最終的に大きな怒りを爆発させてしまうだろう。
例えばこれが「陽」の男性なら彼女の言動で気に入らないことがあれば即喧嘩して仲直りして元鞘、か、「お前みたいな女は知るか」と別れるか。もしくは、「別にやましいことしてなきゃいいよ」と気にもかけないかもしれない。大体、そういう男性には自分にも気心知れまくった女友達がいるものだし。逆に彼女が嫉妬するかも。
超ハイパー陽カッポーだったら、逆手にとって「ダブルデート」*1なんてのも余裕でアリだろう。


嫌な感じに取られてしまうかもしれない。
けれどワタシ自身半端ない非コミュ女、「陰オブ陰」の性向を持つ女で、それでもいっちょまえに恋愛したいという気持ちはバリバリだ。恥ずかしいけどそれが事実なんだな。それで人を好きになり、グジグジ悩み、ぶつかり、傷付き、相思相愛になったこともあるけれど結局悲惨な結果に終わったり、そういう経過を経て今があるからなんかもうそういう言い方しかできない。正直に言ってしまえば、最終的には悲惨な結果で終わったものばかり。このところずっとどピンクの渦から一旦抜けて何か解脱した感じの日々だけど、いつまた渦に巻き込まれてもがくかわからない。
そりゃもちろん誰かもわからない他人の恋愛事だから冷静に語れるってのもあるし、「所詮他人事だからそんなこと言えるんだろ」って言われてしまえばそれまでだし否定もしないけれど。


ただ、人は「くっつくべき相手」とでなきゃ幸せにはなれない。
そういう考えで今の悲しみをやり過ごして次の恋愛に辿り着けるといいね、という思いを込めて。
そして自分自身、今後うっかり「陽」の男性を好きになり、振り回されてボロボロになってしまわないよう祈りも込めて。


しかし。何を言っても書いても思っても、「好きになってしまう時」は選べないし、容赦なくやってくるのだけれど。「恋愛は交通事故のようなものだ。決して避けて通ることなどできない。」とはよく言ったもの。*2



いろいろ考えさせていただきました。

高卒と同じ学歴かと思うと吐き気がする。- 都合のいい男

断片部-東京横浜断片楽譜 - 勇気を与える“だけ”の役目


これは、非コミュ女性の意見だと思う。ものすごいわかる。匿ダより。

*1:しかし気恥ずかしい単語だなコレ久々に打ったyo

*2:ワタシの敬愛する女性作家の方が書いていた言葉。