人を育てるのが上手な人は、感情に流されない人


めぐままの育事日記 - ダメなやつにダメと言うこと
http://d.hatena.ne.jp/megmama/20060901#p1


>ダメなやつにダメと言っても、その時言った人がスッキリするだけで得なことはない


本当にその通り。
上のエントリに出てくる婦長さんのように「ダメなやつにダメと言う」だけならまだマシで、この世にはそのレベルをはるかに超えて自分の感情・好みをムキ出しにして部下を差別するとんでもない上司は明らかにいる。*1


不思議なことにそのタイプの上司は、「いやあの人も心底悪い人じゃないんだよ」と評されることもあった。あれのどこがだと当時は首をひねり続けていたけれど今過去を振り返ってみて気付いたことがある。


例外なく彼らは仕事上でも感情に流されすぎだった。
どんな時でも叱りたきゃガンガン叱る、平気で人を大人数の前で血祭りにあげる、嫌いな部下にはとことんまで嫌味を言い、お気に入りにはとことん甘い顔をしていた。そんな風にいつでもどこでもエモーショナルすぎる(=冷淡ではない)から、ある場面においては「いい人なんだよ実はね」扱いを受けるってのもまあ、無理はない。(感情的すぎる人=人情に厚い優しい人 という図式は、特にレトロな日本の華!)*2
もちろん人間の性格なんて多面的だから、そんな上司でも「悪人」と断言することもできないけれど。


逆に、人を育てるのが抜群に上手な知人や元上司のことを思い返すと、皆仕事上では果てしなく冷静な人だった。それは決して「冷たい」ということでなく、育てる対象の人間を好む好まざる(自分と相性のいい悪い)というのは仕事においては徹底的に頭の隅に追い払い「どうすればこの人をいい人材として活かせるのか」をまず最優先に考えていた。当然のことなのだろうけれど、人間誰しも好き嫌いってもんは厳然としてあるからそう簡単じゃない。そんな上司の叱咤は、確実に言われた人間の心に届いて欠点は少しずつ改善されていた。


人を育てるのが上手な人は、感情に流されない人だと思う。


自分には備わっていない素質なだけに、そんな人をずっと憧れのまなざしで見ている。


*1:ええ、本人が過去に地獄を見た経験アリです。見聞きしただけでもかなりの…

*2:実際そのテの人を「本当はいい人」と言っていたのは年長者がほとんどだった