「非コミュと春」

うちの近所の桜です


4月に入り、空気も随分柔らかくなりましたね。
いやあ、本当に春ですねえ。
というわけで、新入学・新社会人になる方の多いこの時期、「非コミュと春」について書いてみます。
ワタシは社会人になって時間が経過しているので、おもに社会人向けの内容になると思います。


誰でも新しい世界に踏み出すときには大なり小なり緊張があるもの。
しかし、それが非コミュとなるとケタ違いになるわけです。


非コミュの人がまったく新たな環境に向かうというのは、カナヅチの人を荒海に放り込むようなもの。相当な荒療治であり、高レートなギャンブルであり、超スペクタクルな大冒険なのです。
ですからもしダメでも、うまくいかなくても、それでもともとくらいの開き直りがあってもいいと思います。決定的にダメだと思えば「そこではないどこか」を捜してもいい。例え最初がダメだとしても、自分の居場所を捜し求めて試行錯誤していくうち、少しくらいは(ごく基礎的な)コミュ能力はついてきます。


ワタシは、強く明るく逞しく、コミュ能力に長けている勇敢な主人公が活躍するドラマや映画が好きです。
「ショムニ」や、「anego」など。ワタシは女性なのでやっぱり女性主演のものが多いのですが。男性主演のものでは映画「幸せのちから」も(これは実話が基となっていますが)。
どんなに荒唐無稽なストーリーでも、ありえないようなキャラ設定でも、どんな苦難でも前向きにバリバリ切り開いていく主人公の姿を観るのがとても好きです。それは、自分が少しも持ち合わせていないものに対する憧憬なのでしょう。


ただ、当然ですがドラマはあくまでドラマでしかなく、絵空事です。
非コミュが生きているのは、圧倒的に現実です。
いつも何があっても無条件に励まして助けてくれる優しい仲間も、意地悪もしてくるけど本当は自分のことを好きなだけの憎めないライバルも、頑張る自分を変わらず応援してくれる「ファン」も、いません。


だからワタシは、非コミュが無理をしてポジティブな思想・思考方法を身につけたり、どんなときでもポジティブに振舞う必要はないと思っています。
そうしたって、延々と精神面での無理をし続けることで、自分の精神は少しずつズタズタになっていきます。また周りの人々からも、必ずしも受け入れられるものではありません。「この人、妙にテンション高いし明るいけど、なんか変。なんか違う。」
そういうのって、不思議と伝わってしまうものだったりします。
別に、明るい人気者は職場(学校)に何十人も要りません。ひとりでもふたりでもいいのです。
ですから、あなたがそれを真似しなけばいけない必要性も義務もどこにもないのです。仮に職場の絶対数が少なかったりする場合でも、無理に明るく振舞う必要はありません。
ただ、それが職場の場合は特に挨拶は他の人以上に心がけ、ビジネスマナーや最低限の礼節、身だしなみなどにも気を配り、言うまでもないですが仕事はしっかりやり、あとは誰かから話しかけられたら極力穏やかに振舞う(少なくとも無視をしたりしない)くらいでいいと思います。そうしていれば、穏やかな人や引っ込み思案そうな人で、自分と波長の合いそうな人と仲良くなることもあるかもしれません。


非コミュであることを誇りに思うのは難しいですが、「自分は自分」という考えは、いつも心の奥底にしまっておきたい。
社会人であれば大抵の場合、人に合わせてやりたくもないことをやったり、白なのを黒と言ったり、理不尽な要求を突きつけられたり、なんだかよくわからないけど目の敵にされたり、そういうことが待ち受けています。それを日々やり過ごさなければならないのは、非コミュであっても同じ。
最初はかなり抵抗があるでしょうし、人によってはもがき苦しむほどの苦しみを伴うかもしれません。ただ、それでも何とか体当たりしたりときには寄り切ったりしながら続けていくうち、スポーツや漢字の練習のように多少はうまくなっていくことでしょう。


ただ、それをどんなに上手にこなせるようになっても、「自分は自分」。


「なりたい自分」を夢見るのもいいですが、「今の自分」をきちんと見つめ、認めていきたい。
自分の世界は、自分の中で守っていく。
特に、自分の仕事を「これはあくまで生活のための仕事」と割り切ってやっていく場合これは重要になってきます。
そうやって、仕事→自分の世界→生活→仕事→自分の世界…と、日々を回していくうち、知らぬ間に1年、2年…と経過している。当然、その間には自分の仕事のレベルを上げていくなどの努力もあったほうがいいですが、基本的にはそんな風に時が経過していくのが理想です。例えそうやって積み重ねた「時」でも、少しくらいは自分への自信に繋がってきます。


自分の中のネガティブさも、全部ひっくるめて「自分」です。
そのネガティブさに無理に「ポジティブで」「明るい」「人気者」の仮面で蓋をしてしまわずに、時には辛いこと、嫌なことから目を背けたりなんかしながら、仲良くうまく付き合っていけたらいいですね。



なんか妙に説教クサくなっちゃってごめんなさい。
そんなワタシもバリバリの非コミュであり、かつ社会人としてはまだまだ「ニワトリ」には程遠い若造です。
だから本当は全然エラそうなことを言える立場でもなんでもないです。
ただ、頭に浮かんできたこと・伝えたいこと・自分にも強く言い聞かせたいことを、そのまま書き出してみたらこうなりました。そして、これを先日の「バッドエンドとハッピーエンド」の追記エントリにかえさせてください。