「異性のためにのみ」のファッションへの大きな誤解

ここのブコメのワタシより上にいる殿方*1が「このまま何も言わないのってマズいわね」と思わせる展開を見せていたので。
(一度断片部でUPしたけど、思ったよりも長くなったからこちらへ移動)


「異性のためにのみ」するファッションというだけでは、意外に実際あまりすることがない。それはただ「清潔で」「奇抜でない」「無難な服装」であって、男性ならシンプルなシャツにシンプルなパンツなどを合わせるだけでもいいし、女性の場合だって似たようなもので、綺麗な色のアンサンブルに膝丈スカートとか、それすら考えたくなければ何も考えず店頭のマネキンが着ていたり雑誌に載ってるコーディネートをそのまま適当に買ってスコンと着ちゃえば済む話。最大限ローコストで済ませたければ、多少縫製などが悪い程度の似たものが廉価で手に入るお店もいくらでもある。
それは異性と関係のない「社会的なファッション」に限りなく近い。最低限あからさまに汚れていない破れていない服を着ようとするのに始まり、職場のドレスコードを守ったり、営業マンが毎日必ずスーツを着て革靴を履く、とか。


だから

男は異性のためにのみファッションに気を遣わされているんですよ。

ということはない。違うよ。全然違うよ。誰も「強制」なんかされてない。異性の前で、社会の中で、おかしく思われないために「自分でやっていること」に過ぎない。
もし男性が「気を遣わされている」状況があるとするなら、男性に対して「おしゃれであること」への要求がとても高い女性にアピールしようとするときか。しかし、そんな女性にアピールしようとしている時点でそれはやっぱり「自分で選んでやっていること」になる。
そもそも男性にも女性にも、異性に対して「あなたの服が素敵だったから好きになりました」って人はなかなかいないでしょう。


「その上を行くファッション」になると、男女共々どんどん「自己満足の領域」に突入していく。
逆に「あまりに先鋭すぎるファッション」は、ときに「恋愛の妨げ」(=異性受けはしない)にすらなる。例えば女性の場合、とてもわかりやすい語として「かまやつ女」ってのがあったでしょ。嫌いな言葉だけどね。「かまやつ女」は一般男性には受けない。ただ、ファッションに費やすコストでいえば「かまやつ女」のほうが「めちゃ☆モテOL」(笑)よりも多いこともしばしばある事実。パッと見、華やかさからはかけ離れていても信じられないほど値段の張る服ってあるからね。その逆も然り。


そして、ロクに食事も摂らず収入のほとんどをハイブランドの服に注ぎ込んでいるような超おしゃれさんは女性だけでなく男性にもたくさんいるように見える。中には彼女がいる場合にかかるデート代なんかも注ぎ込んで、「自分の好きなファッションができなくなるなら彼女なんてイラネ」って人も。それは既に「異性のため」などではなく、ほかでもない「自分自身のため」だよね。皆が皆、自分や好きな異性が美容師でも服飾専門学校生でもアパレル関係者でもないのだから。